税源移譲に伴う住宅ローン減税の調整措置
国から地方への税源移譲により平成19年からは所得税が減額されその分住民税が増額されることは以前お伝えいたしましたが,その影響によりすでに住宅ローン減税を受けている方(平成11年から平成18年までに入居した者)は所得税の額から住宅ローン税額控除を引ききれないケースが生じることがあります。
この税源移譲では,所得税及び住民税のトータルの負担が増えないことが前提とされているために,所得税で使い切れなかった住宅ローン税額控除はその分だけ住民税から引かれることとなります。
具体的には
平成18年中では
所得税 | 16万円 |
個人住民税 | 9万円 |
所得税+個人住民税の計 | 25万円 |
住宅ローン減税額 | 10万円 |
のケースで考えてみましょう。
- ここでは所得税は住宅ローン減税分10万円がひかれ所得税は6万円となります。
- 個人住民税は9万円となります。
- 合計の負担は所得税6万円+住民税9万円で計15万円になります。
次に平成19年の税源移譲後では
所得税 | 8万円 |
個人住民税 | 17万円 |
所得税+個人住民税の計 | 25万円 |
住宅ローン減税額 | 10万円 |
となります。
この場合では所得税から住宅ローン減税分をひききれず2万円の控除額が無駄になってしまいます。これでは負担が増えないという前提を満たすことができません。
そこで控除しきれなかった2万円を住民税から減額する措置が講じられます。
合計の負担は所得税0円+住民税15万円で計15万円となり負担は前年と同じになります。
この減額措置を受けるのには市町村への申告が必要となりますが,翌年の平成20年3月15日までに申告する必要があります。確定申告をされる方は所得税の申告と同時に申告できますが,年末調整のみで終了の方については改めて市町村へ申告する必要が出てきますので平成19年分の年末調整の際は該当するか確認する必要があります。
この申告をすることにより平成20年分の住民税から減額されます。
(企画チーム 近藤)