21年度税制改正大綱にあります住宅ローン減税での最大優遇で600万控除が適用できるのは長期優良住宅になります。
1999年から2001年6月までの最大控除額587.5万円を上回り、その意味ではたしかに過去最大規模の拡充となりました。ただ、600万円の控除が受けられるのは、いわゆる「200年住宅」と呼ばれる長期優良住宅のみとなっています。
では長期優良住宅とはどんな住宅なのでしょうか?
この認定基準案は、長期優良住宅の建設・維持管理にかかわる計画認定制度の創設が柱となっています。
認定基準案によると
規模
一戸建て住宅が床面積100平方メートル以上
共同住宅は75平方メートル(高齢単身者向けは40平方メートル)以上
耐久性
3世代 (75年から90年程度) にわたり使用できる劣化対策 (住宅性能表示制度に基づく劣化対策等級3の水準) に加え、柱などに耐久性の高い木材を使用することや、床下・小屋裏などの点検用に開口を設置することなどを求める。
維持管理
部位や設備ごとに更新時期などが異なることから、
- 基礎・土台・壁・柱
- 屋根・開口部
- 給水管・配水管
以上に区分した上で、それぞれ点検の時期や内容を定める。
ただし、定期点検の周期については、少なくとも10年ごとに実施することを求める。
住宅履歴書
維持・修繕の実績を示す住宅履歴書に盛り込むべき事項も整理。
住宅の維持保全の方法や期間、資金計画などとともに、実施した点検や調査、修繕の内容、実施日、施工者などを記載する。
長期優良住宅はこの11月に成立した新法に基づいて導入される新しい制度です。新法の施行は2009年春と言われており、そこから認定がスタートするわけですから、実際に市場で長期優良住宅が買えるようになるのはまだ先のことになります。つまり、今回打ち出された住宅ローン減税の最大控除額は実質的には「一般の住宅」向けの500万円ということでしょう。
担当 藤原