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事前確定届出給与は使えるか

2012年11月13日 | 法人税

役員給与の支給の仕方に関わる税法制限

役員給与(役員報酬と役員賞与)は原則損金不算入です。例外として、次のものが損金算入となります。

a 定期同額の役員報酬(期首から3ヶ月以内の改訂は可)<事前届出不要>

b 有価証券報告書を提出する非同族会社の利益連動役員賞与<事前届出不要>

c 事前確定届出給与(決算確定から1ヶ月以内)

 制限の趣旨は、会社の景況に合わせた役員報酬の随時の改訂や、利益の額に合わせた賞与の支給を排除しようとするものです。

事前確定届出給与とは

 「事前確定届出給与」とは、定期同額でなくてよい役員給与です。実質「役員賞与」に該当するものです。この事前届出の内容は、委細に亘り書くようになっていて、特に重要なのは、全役員の「定期同額役員報酬」を記載するようになっていることです。
 「事前確定届出給与」を選択することにより、定期同額役員報酬が「事前確定届出給与」に実質的に変わってしまいます。

事前確定が崩れてもよい場合

 事前確定届出給与が、届出通りに支給されなかった場合は、事前に支給額が確定していたとはいえないことから、事前確定届出給与に該当しないものとなり、全額が損金不算入となります。
 ただし、次のような場合には、1ヶ月以内に、改定の届出をすれば、特別に変更が認められております。

・ 専務が社長に昇格した場合のように、役員の退任等により、取締役の役職が変更になった場合

・ 役員が入院したため、入院期間中の役員報酬を変更した場合

・ 業績の悪化により、役員報酬の減額をしないと、経営危機に陥る場合

支給しないときのペナルティー

 事前確定届出給与を支給しない時のペナルティーというのは特にありません。次の決算日前を支給時期に設定する事前確定届出給与は、額の変動はできないものの、支給の有無は随意なので、決算対策としての効果をそれなりに果たせることになります。
 複数役員について設定した事前確定届出給与の一部役員への無支給は、届出通りに支給した役員分に係る損金算入には影響を及ぼしません。
 また、役員退任による支給停止は、届出と異なることになっても損金算入です。

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