財務省が立法ミスで記者会見
財務省はホームページで、バリアフリー税制に関して、次のように、
①平成29年12月31日まで期限延長し、限度額を200万円とする
②平成26年4月1日までの間の経過措置として、200万円を150万円に読み替える
と、すべきところ②の規定の立法洩れをしてしまった、と書いています。
朝日新聞はフライング減税
朝日新聞の「フライング減税」というネーミングも話題を呼びました。同紙は、税制改正法で「来年4月以降」という規定を記し忘れたためで、過去に例がなく、税収減1億円、関係者は処分、と報じています。
他紙の報道でも、ミスの内容を、平成26年4月以降分の控除上限枠を1年3ヶ月早く前倒しで引き上げ、と伝えています。
バリアフリー改修と省エネ改修
ローンなし住宅改修税額控除には、耐震・バリアフリー・省エネの3つがあり、そのうち、バリアフリーと省エネは同一の条文に規定されています。
そうすると、省エネには立法ミスがなく、バリアフリーにのみ立法ミスが起きたのはどうしてか、と疑問が湧きます。
読み替え規定はないのか
バリアフリーと省エネの条文は平成24年12月31日で期限切れ、新改正法は平成26年4月1日~平成29年12月31日の期間適用の規定として立法されています。
平成25年1月1日~平成26年3月31日の期間については、法律の附則で「なお従前の例による」という文言をおいて、期限延長と読み替えをしています。
前倒立法ミスではなく遡及適用排除ミス
「従前の例による」との文言は、期限切れになった条文がそのまま継続適用になるとの意味です。期限切れ条文をみると、
①バリアフリー・・・200万円を超える場合には200万円とし、平成24年分については、150万円を超える場合には150万円
②省エネ・・・200万円を超える場合には200万円とし、太陽光パネル設置工事を行う場合で300万円を超えるときは300万円
となっています。
すなわち、「直前の例による」ではなく、「従前の例による」では、バリアフリーでは、平成24年以外は200万円との規定なので、遡及期間の限度額が復活してしまう、ということになったわけです。これが立法ミスの実体です。