管理者の使命は「所管部署の業績向上・人材育成」の2点に尽きますが、その使命を果たすマネジメントの方法を目標管理制度運用上の役割として整理すると具体的になり、分かりやすくなります。
所管組織の業績向上に関する役割
業績向上の使命をブレークダウンした管理者の重要な役割は次の通りです。
役割 | 内容 |
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連結ピ ン | 上位組織の目標設定に参画し、その目標を自部署目標に連結 |
職場改革 | 自部署のメンバーが高い目標にチャレンジし続ける組織体質づくり |
目標設定 | 自部署の目標とそれに連鎖する共同目標、メンバーの目標設定 |
組織化 | 目標達成のための適材適所の人材活用、共同目標のプロジェクトチーム編成など |
プロセス管理 | P・D・C・A、目標達成プロセスの阻害要因排除、成功要因の活用など指導、支援 |
評価 | 事実に基づく納得性の高い評価 |
情報管理 | 顧客・関係部署等の情報収集、活用、問題解決のための調整など |
このような役割は、1つひとつが重要であるとともに相互に関係し合っていますから注意深い遂行、管理が必要です。なお、自分の後継者となる腹心の部下を育てるため、一部の役割を任せることも人材育成の一環となります。
人材育成に関する役割
人材育成は管理者が忘れてはならない次世代へバトンをつなぐ重要な的使命であるにもかかわらず、多くの企業で「業績評価に集中した結果、人材育成が不足していた」との反省がなされており、注意が必要です。
役割 | 内容 | |
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人材育成計画 | 前期の能力評価を基に能力開発計画設定 | |
能力開発機会の付与 | OJT | 目標設定、達成プロセスと関連付けた能力開発 |
OFF-JT | 不足している専門能力等の外部研修参加、習得 |
経営者の留意点
目標設定時期などに、自社の目標管理制度運用状況を上記の役割に照らしてチェックし、改善・強化を図ることをお勧めします。