少額減価償却資産の損金算入について
法人が取得した減価償却資産のうち、次のいずれかに該当するものについては少額の減価償却資産となり、その法人がこの減価償却資産を事業の用に供にした(取得ではない)事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理をした場合には、その金額は、損金の額に算入されます。
- (1)使用可能期間が1年未満のもの
- (2)取得価額が10万円未満のもの
一括償却資産の損金算入
取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、各事業年度ごとに、その全部または一部の合計額を一括し、これを3年間で均等償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。
償却限度額 | = | 一括償却対象額 | × | その事業年度の月数/36 |
中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入
中小企業者等については別に、少額減価償却資産(取得価額30万円未満のもの)の取得価額の損金算入の特例制度があります。
この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者等に限られ、また、固定資産税(償却資産税)の課税対象となります。
少額減価償却資産の損金算入の消費税の取り扱い
取得時(事業の用に供にした日ではない)に一括して、仕入税額控除の対象になります。
少額減価償却資産 損金算入のまとめ
少額減価償却資産 | 一括償却資産 | 中小企業者等の 少額減価償却資産(注1) |
|
---|---|---|---|
対象法人 | すべて | すべて | 青色申告法人である 中小企業者等 |
対象資産の 取得価額 |
10万円未満 | 20万円未満 | 30万円未満 |
損金算入額 | 全額 | 取得価額×1/3 | 全額 ※合計で300万円まで |
償却資産税の 課税関係 |
課税なし | 課税なし(注2) | 課税あり |
- (注1)平成18年4月1日から平成24年3月31日までの間に取得等した償却資産に適用。
- (注2)上記の通り、3年間で一括償却した資産に関してのみ償却資産税の課税対象とならない。
担当 鍜治