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源泉徴収業務は益々大変

2015年3月27日 | 所得税

平成27年度の税制改正

あまり注目されませんが、「国外に居住する親族の扶養控除の適正化」があります。
国外扶養親族21人もの扶養控除の適用を受けていた事例があり、本当に扶養しているのか疑義のあるケースが散見されるため、扶養控除の適正化の為に、平成28年分以降の所得税から適用しようと言うものです。
その内容は以下の通りです。
国外に居住する親族に係る扶養控除を受けようとする者は、以下の書類の添付又は提示を義務付けるものです。

①親族であることが確認できる書類(例:戸籍の附票の写し、出生証明書等)
②納税者が親族の生活費等に充てるための支払いを行ったことを確認できる書類(例:送金依頼書、クレジットカード利用明細書等)

誰が責任を取るのか?

一見もっともな改正ですが、上記①②の書類を誰が確認し、保存するのかが問題です。納税者が自ら確定申告をしている場合は、自己責任ですからよいのですが、納税者が給与所得で源泉徴収されている場合、その責任は源泉徴収義務者である企業にあります。

外国人労働者への対応

外国人労働者は、日本に出稼ぎに来ているわけですから、その目的からして母国に扶養親族を残しているわけで、多くの外国人労働者に扶養親族がおります。
従来は、扶養控除申請書に自主申告してもらっており、その真偽の確認は行いませんでしたが、今後はその扶養親族の真偽を確かめるために、先の①②の書類の提出を求め、提出がない場合は、扶養控除をせずに源泉徴収することとなります。
①②の書類の提出がないまま扶養親族として源泉徴収していて、その後の税務調査で書類の不備が見つかった場合、源泉徴収義務は企業にありますから、追徴税額は企業が納付することになります。
税務調査時に既に当人が帰国してしまっていれば、負担した税金を徴収することはまず無理です。

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