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相続時精算課税と暦年贈与 何十年後を予測できるか

2014年1月8日 | 相続・贈与税

リスク・デメリットの予測

相続時精算課税は、何十年も後になり選択の結果がでる制度であり、その間に何が起きるかわかりません。
相続時精算課税制度の適用選択にはどんなリスク・デメリットがあるか、十分に検討する必要があります。
しかし、それでも、多分、すべてを予測し切ることは不可能です。

相続時精算課税のリスク

  1. 相続時精算課税贈与財産が無価値化になっても相続税額が発生します。
  2. 今次の基礎控除引き下げなどのような相続税制の変更に伴い、制度選択が致命的になってもリカバリー困難です。
  3. 受贈者が特定贈与者より先に死亡すると二重課税になる恐れがあり、受贈者が独身、一人っ子で、先に死亡する場合には、三重課税になりかねません。
  4. 相続時精算課税は一度選択すると、その特定贈与者からの贈与については暦年贈与の選択が一切できず、撤回も不可です。
  5. 贈与税の申告内容開示制度により、相続時に他の相続人等からの請求で精算課税贈与額(3年内暦年贈与財産も同じ)が開示されることになっています。

相続時精算課税のデメリット

  1. 相続開始前3年以内の贈与加算される財産は、また、その贈与財産により取得した財産も物納対象となりますが、相続時精算課税制度による生前の受贈財産は、相続時に物納できません。
  2. 相続税の特例として、相続財産に対する小規模宅地等の減額特例がありますが、相暦年課税・続時精算課税により贈与した財産については、同特例は適用できません。小規模宅地等の減額の特例は、非常に効果が大きいものです。宅地等を贈与財産とするときには、この検討は重要事項です。
  3. 暦年課税・相続時精算課税により贈与を受けた財産が土地の場合には、登録免許税の税率は、贈与時の不動産価額に対する税率の1.5%となります。相続であれば相続時の不動産価額に対する0.4%となります。
  4. 暦年課税・相続時精算課税により贈与を受けた財産が土地の場合には、不動産取得税の税率は、贈与時の3%となり、さらに宅地のときは課税標準が1/2になります。相続であれば非課税となります。

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