法人税
平成28年度税制改正大綱 法人課税編(No.2-2)
前回に続いて法人課税に関する改正項目です。地方税を中心に主な項目を概観していきます。 ●法人事業税の税率改正 資本金の額(出資金の額を含む)1億円超の普通法人については、法人事業税における外形標準課税(付加価値割と資本割の合計)の割合を5/8(現行:3/8)に拡大、これにより、所得を課税標準とする所得割の税率を3.6%(現行:6.0%)に引下げ、一方、付加価値割の税率1.2%(現行:0.72%)及び資本割の税率を0.5%(現行:0.3%)に引上げる、とするものです...
平成28年度税制改正大綱 法人課税編(No.2-1)
平成28年度税制改正における、法人税改革の基本理念は、「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」であり、デフレ脱却、経済再生を最重要課題としています。 以下、国税を中心に主な改正項目を概観していきます。 ●法人税の税率引下げ 法人税の税率は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度については、23.4%(標準税率ベースでの実効税率29.97%)、平成30年4月1日以後に開始する事業年度については、23.2%(標準税率ベースでの実効税率29.74%)とするものです。...
分割支給役員退職金判決を読む 公正な会計処理基準とは
法人税は公正なる会計処理を前提にする 法人税で定める「公正処理基準」とは何かについて、これを争点とした訴訟がありました。役員退職給与の分割支給時費用処理の是非が論点です。 納税者の主張する更正処理基準 納税者の主張は次のように要約できます。 (1) ①会計慣行又は会計基準に従ったものであり、②公平な所得計算という要請に反しないという2つの要件を満たしていれば更正処理といえる (2) ①株主総会等での決議時全額費用計上、②各分割支給日事業年度で分割額を費用計上、の二つが会計慣行として確立している (3)...
取得or賃借 課税関係が異なる場合も
資産を「取得」するか「賃借」(ファイナンスリースを除く)するかは、その資産の費用対効果、そして、資金繰り等の諸要素を勘案して決定しますが、場合によっては、「課税上の効果」が大きな要素になることもあります。 例えば、接待のための専用資産(クルーザーや別荘等)を「取得」するか、それとも「賃借」にするか、といった選択の場面では「課税上の取扱い」が重要な要素になります。それは、「取得」と「賃借」では異なる課税関係を招来させるからです。 接待用資産を自社所有した場合...
少額減価償却資産の判定
少額減価償却資産とは 使用可能期間が1年未満のもの、取得価額が10万円未満のもの、が原則的な少額減価償却資産で、取得し事業の用に供した事業年度の損金とすることができます。 そのほか、次の特例があります。 ① 取得価額20万円未満の減価償却資産 一括償却資産として、取得し事業の用に供した事業年度を含む3年間での損金経理を認めています。 ② 取得価額30万円未満の減価償却資産 中小企業者(資本金1億円以下の法人)の特例として年間300万円までについては取得し事業の用に供した事業年度の損金とすることができます。...
交際費課税の整理整頓
交際費に該当しない交際費 交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます)のために支出する費用をいいます。 ですから接待、慰安、懇親を目的とした飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます)のために要する費用は交際費ですが、1人当たり5,000円(消費税抜き)以下の場合は交際費に該当いたしません。...
経理処理の留意点 繰延資産と長期前払費用
繰延資産とは 中小企業会計指針によると、「既に代価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用を資産として繰り延べたものをいう。」とあり、「旧商法に規定する創立費、開業費、開発費、株式交付費、社債発行費、新株予約権発行費が繰延資産に該当するが、税法に規定する繰延資産は、長期前払費用等とする。」と言っております。 長期前払費用とは...
平成27年度税制改正 受取配当等の益金不算入制度の見直し
平成27年改正・受取配当等の益金不算入 平成27年税制改正では、法人税率が引き下げられる一方で、課税ベースを拡大する改正項目が盛り込まれています。その中の一つが「受取配当等の益金不算入」制度の見直しです。今回の改正では、二重課税排除という制度の基本的な考え方を踏まえつつ、次の点が見直されています。 ⑴ 株式等の区分の改正 支配目的の株式等と支配目的の乏しい株式等(資産運用目的の株式等)との区別が一層明確化され、株式等の区分が次のように見直されました。 (改正後)株式等の区分と益金不算入割合 区分 不算入割合 ①完全子法人株式等...
最近よく耳にする小型無人飛行機 「ドローン」の耐用年数
「ドローン」(小型無人飛行機)とは? 最近、よく耳にする「ドローン」。元々は英語で雄のハチ(drone)を意味する言葉ですが、転じて「小型無人飛行機」のことを指すようになりました。当初は、軍事・災害等の分野で用いられた比較的大型(10m超)のものでしたが、コンピュータ制御や遠隔操作の技術の発達により、小型で廉価のものも登場し始めると、民間にも急速に普及するようになりました。 商用使用はもとより、ホビーとして、ドローンに小型カメラを搭載し、個人でも手軽に空撮を楽しむ時代となり、大きさ・形状・用途も様々なものが販売されています。...
東芝・不正経理問題で注目! 「工事契約会計基準」とは
東芝、不正経理の規模1,500億円か!? 東芝の巨額に上る不適切経理問題が波紋を呼んでいます。当初はインフラ工事部門で3年間にわたり500億円の利益が前倒し計上されていたことが問題とされていましたが、その後、決算発表は延期され、テレビ・PC・半導体部門でも会計処理が適切でなかった疑いがあると報道されています。 「工事契約会計基準」とは? 具体的には、インフラ工事部門では、「工事進行基準」の適用において、総原価が不当に過少であったということのようです。...
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