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事業承継の現状とコロナ禍の影響

2021年5月21日 | その他

日本商工会議所アンケートより

昨年8月に日本商工会議所が全国会員企業14,221件を対象に行った「事業承継と事業再編・統合の実態に関するアンケート」(回答4,140件)により、事業承継について次のように実態がまとまりました。
 事業承継を軸にコロナ禍の影響がどう出ているのか尋ねる内容となりました。
 会員企業の後継者の決定状況は「経営者年齢が60歳以上の企業」で約半数が決定済みの一方、後継者不在の企業が2割を占めています。同族経営が8割と多数を占めるものの中小企業で親族外承継も徐々に増加しており、2000年代は約1割、2010年以降では約2割となりました。
この調査では、事業承継の時期について、コロナ禍の影響で売上げが減少している企業ほど事業承継予定時期を後ろ倒しにする傾向があることがわかりました。また、経営者の在任期間別の利益状況を見ると「社長就任後10年未満の企業」の6割の企業がコロナ禍においても直近期黒字の一方で、「社長就任後30年以上の企業」はコロナ禍を受けて赤字を見込む割合が大きく、事業承継によって経営を活性化している企業がコロナ禍においても業績を上げている傾向があることがわかります。

事業承継の問題点

 事業承継の問題点は「後継者への株の譲渡」が最も多く3割を占めています。課題・障害は「譲渡側は譲渡の際の相続税、贈与税が高い、後継者側は買取資金がない」と税制面と資金面問題で6割~7割を占めています。

事業再編・統合(M&A)

M&Aにおいては「過去に買収を実施・検討した企業」は約15%、それを「売上高10億円超の企業」に絞ると「買収を実施・検討した企業」は約4割を占めています。
買収先は後継者難が深刻化している小規模企業(従業員20名以下)が約7割を占めており、M&Aが後継者不在企業の事業継続の受け皿となっていることがわかります。買収目的は「売上・市場の拡大」7割、「事業エリアの拡大」4割が多く、目的、期待効果の達成度も約半数が「達した」とする等、中小企業の事業拡大にM&Aが功を奏していることがうかがえます。

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