NISA制度の見直し
〈ジュニアNISAは令和5年廃止〉
現行のNISA(少額投資非課税制度)には、「一般NISA」と少額積立・長期運用の「つみたてNISA」、未成年者の利用を想定した「ジュニアNISA」の3種類があります。
NISAの利用状況(令和元年6月現在)
種類 期間 口座数 買付額
一般 5年 1,162万 16.88兆
つみたて 20年 148万 0.18兆
ジュニア 5年 33万 0.14兆
今回の改正により「一般NISA」と若年層の利用が多い「つみたてNISA」は、5年延長とされますが、全口座数の2.5%と利用実績が乏しい「ジュニアNISA」は、延長されないこととなります(廃止後、源泉徴収をせずに口座からの払出しが可能です)。
〈一般NISAは「2階建て」の新制度へ〉
より積立・分散投資を行いやすい制度とするため、令和6年1月より、「一般NISA」は、非課税枠を2階建てとする新制度に再編されます。
この制度では、1階部分は「つみたてNISA」と同様に長期の積立・分散投資に適したものとして告示されたもの(年20万円まで)、2階部分は、現行の一般NISAから高レバレッジ投資信託など安定的な資産形成に不向きな一部の商品を除いたもの(102万円まで)が対象となります。
新一般NISA(令和6年~10年)
2階部分
(年102万) 特定非課税管理勘定(仮)
対象:上場株式等のみ
1階部分
(年20万) 特定累積投資勘定(仮)
対象:公募等株式投資信託
エンジェル税制の見直し他
エンジェル税制とは、ベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対して所得税の優遇措置を行う制度で、投資時点の優遇制度(所得控除と株式譲渡益からの控除の選択)と売却時点の優遇措置(対象株式の売却損の繰越控除)があります。今回の改正では投資型クラウドファンディングを通じて投資されたベンチャー企業が対象企業に追加されるなど一部の要件が緩和されます。
その他、特定口座に受け入れることができる上場株式等の範囲の拡大や「資金決済法等改正法」の施行に伴う所定の措置、告知制度の見直しなどが行われます。