ワンストップ特例制度とは
ふるさと納税制度は納税者が、住んでいる場所以外の自治体に寄附し、寄附金控除として後に税金を軽減する、つまり住んでいる場所の他に納税できるという制度です。
しかしながら、確定申告をする必要の無い、給与収入のみのサラリーマンの方には、寄附金控除を申請する確定申告書の作成はハードルが高く感じられるかもしれません。そんな懸念を払拭すべく、今年の改正から確定申告が不要になる「ワンストップ特例制度」が創設されました。
条件を満たせば確定申告不要
確定申告が不要になる、というのは聞こえが良いですが、以下の条件を満たさなければ、ワンストップ特例は使用できません。
①確定申告の必要が無い方
②5カ所以内の自治体への寄附
③寄附する自治体毎に確定申告不要の申し出をして、自治体から送られてくる「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を返送する
こんな時はどうなるの?
例えば「年の途中に医療費控除をする事になった」場合など確定申告をする必要が出た場合は、確定申告でふるさと納税の寄附金控除もあわせて申告する必要があります。もし寄附金控除を申告し忘れると、いつまでたっても税金の軽減は受けられませんので、注意が必要です。
また、年の途中で引っ越しをして居住している自治体が変わった場合は、その旨を寄附した自治体に知らせなければ、いつまでたっても税金の軽減は受けられません。
実際は使いにくいかも?
控除される上限の金額が引き上げられ、寄附して特産品を貰える数が増えたにもかかわらず「5カ所に寄附するなら5回書類を作って送る」という手間がかかってしまうのがワンストップ特例です。また、医療費控除等で申請が無駄になってしまう場合もあり、実際には非常に便利だ、と手放しで喜べる制度ではありません。
税制改正大綱には「当分の間の措置として」と書かれています。おそらくは今後、マイナンバー制度と連動しもう少し使い勝手をよくするのではないかと思われます。