相続等により取得した居住用財産の買換廃止について
2007年与党税制改正大綱に次のように述べられています。
相続等により取得した居住用財産の買換及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下,相続の取得の特例)を廃止する。
(注)上記の改正は,平成19年4月1日以後に行う居住用財産の譲渡について適用する。
これまでは,相続したマイホーム(居住用財産)を売って代わりのマイホームに買い換えたときは,一定の要件のもと,譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができました。
特例を受ける要件としては、
- 日本国内に所在すること。
- 売った年の1月1日において所有期間が10年を超えていること。
- 父母又は祖父母が住んでいたものを相続か遺贈により取得。
- 自分が通算して30年以上居住。
- 自分が住んでいる家屋・敷地を売ったこと。
- マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間に新たにマイホーム取得。
- 買い換えたマイホームに一定の期限までに居住すること。
(売った年かその前年に取得なら売った年の翌年12月31日まで)
(売った年の翌年に取得なら,取得した年の翌年12月31日まで) - 売ったマイホームについて他の特例を受けないこと。
- マイホームを売った人と買った人との関係が、親子や夫婦など特別な間柄でないこと。
となっていました。
一方で、大綱には
「特定の居住用財産の買換及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下,居住用財産の買換えの特例)について,買換資産である家屋の床面積要件の上限(現行280㎡)を撤廃した上,その適用期限を3年延長する。」ともあります。
上記の相続の取得の特例と居住用財産の買換の特例には重複しているところがあり,床面積基準がない分相続の取得の特例の方が有利でした。そこで相続の取得の特例を廃止すると同時に,居住用財産の買換の特例の床面積基準を外すことで,居住用財産の買換の特例に統合することとなりました。
よって,居住用財産の課税の特例については,平成19年4月1日以後3年間については,相続によるものであっても適用ができることになっていますので,注意が必要になります。
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(企画チーム 豊泉)