専従者が次の場合には、専従者給与が必要経費にならなくなりますので注意が必要です。
①年間を通じて6か月を超えて従事していない場合
例;専従者の方がパートなどの仕事をしていて年間を通じて6ヶ月以上従事していない場合
②高校、大学などの(夜間部を除く)生徒
③老衰その他の心身の障害により事業に従事する能力が著しく阻害されている場合
例;専従者の方が高齢者で寝たきりであるなどの場合
④専従者給与が未払いの場合
専従者給与は支給した場合に必要経費になります。実際に支給をしていない場合には必要経費とすることができません。
また、実際に支給していないにも関わらず帳簿上支給したことにして、未払い経理や帳簿上現金で支出したことにして、すぐに事業主借で現金借り入れをしているような場合は、支給の要件を満たさなくなります。
⑤不動産収入のある方で事業的規模でない方
不動産の貸付規模が事業的規模でなければ専従者給与(控除)の適用はありません。
※事業的規模の判定
- 独立家屋した家屋・・5棟、
- アパート・・10室、
- 駐車場・・5台で1室
- 貸地・・5件を1室
[形式基準]
上記基準に満たないからといって、事業的規模にならないわけではありません。
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<裁決事例>
- ①営利性・有償性の有無、
- ②継続性・反復性の有無、
- ③自己の危険と計算における事業遂行性の有無、
- ④取引に費やした精神的・肉体的労力の程度、
- ⑤人的・物的設備の有無、
- ⑥取引の目的、
- ⑦事業を営む者の経歴・社会的地・生活状況など
を総合的に加味して判断すべきであるとしています。