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未払給与の受領辞退 と課税関係及び復旧処理

2013年8月12日 | 法人税

債務免除にかかる原則規定

 過去に発生した未払金について相手側から受領辞退等の債権放棄の申し出を受けた場合はその時にこちら側法人の処理としては債務免除益を計上することになります。
この債権放棄が、給与等その他の源泉徴収の対象となるものである場合には、その債務免除を受けた側はその時に支払いをしたものとして所得税の源泉徴収をしなければなりません。
 また、支払確定した日から1年を経過した日においてなお未払いになっている配当等又は利益処分の賞与等については、その日に支払いがあったものとみなして、所得税の源泉徴収をすることになっています。

原則通りにしなくてもよい場合

 次に掲げるような特殊な事情の下において、役員給与その他の源泉徴収の対象となる債権を役員等が放棄した場合には、その放棄により支払われないこととなった部分については、源泉徴収しないことになっています。

(1)給与を支払うべき法人が特別清算開始、破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始などの決定を受けた場合

(2)その法人が事業不振のため会社整理の状態に陥り、債権者集会等の協議決定により債務の切捨てを行った場合

(3)その法人の債務超過の状態が相当期間継続しその給与支払いをすることができないと認められる場合

特殊な事情の場合の課税処理の清算

 源泉徴収不要となった場合には、支払法人側は事後の源泉徴収をしないだけで、徴収済分が過誤納となるものではありません。
 ただし、債権放棄者にとって、過去の年分の所得が消滅することにより、納付すべき税額に変更が生じる場合には、課税減額の更正の請求をすることになります。1年経過時に所得税が源泉徴収されていたような場合には、源泉徴収所得税の還付を受けることになります。

課税済みの場合の事後処理

 通常の給与や賞与について未払状態が続いている間は、所得税が源泉徴収されることはないので、給与所得しかない者の債権放棄の場合には、所得税については、特に何の手続きもしないで済みます。
しかし、住民税については未払いかどうかにかかわらず納税通知書が送られてきて賦課課税されてしまいますので、更正の請求により、過去の課税処置の訂正を要求する必要があります。

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