都内の商店街の昼時、屋台風のワンボックスカーが止まりました。マルコメ(本社・長野市)が今年1月に導入したキッチンカー「マルコメ号」です。車には主婦や会社員らが次々立ち寄ります。
買うのは1杯100円のみそ汁。これが、みそ製造最大手のマルコメが新たな市場を創出した業績好調のけん引車です。創業160年の老舗が、潜在需要を掘り起こすため取ったマーケティング手法は、若手中心に基本である「消費者に一歩近づく」戦術でした。
具体的に08年、東京支社にマーケティング部を設置、消費者が使いたい、新しい商品を提案しようという気分がより高まり、みそのヘビーユーザーである女性の目線、消費者の目線での商品開発が実際に進み始めました。
今、健康食品として脚光を浴びる糀(こうじ)にマルコメも3月、この素材を使う商品群を「プラス糀」シリーズとして商品化しました。発売前から注文が殺到したというジャムのほか、ディップソースやスープ類の受注も好調といいます。また、昨年は家庭用の「液みそ」、オフィス用みそ汁サーバー「椀(わん)ショット」などのヒットを連発しています。
マルコメの業績は08年3月期まではジリ貧でしたが、その原因は製造偏重で販売軽視にありました。2011年3月期の単独売上高は314億円で増収増益の基調です。もともと同社はTVCMではマルコメ君が有名で、広告の分野でも中小企業の域を超えた斬新さが目に付く老舗です。
創業160年だからこそ“攻める” マルコメ、市場創出に若手の発想
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