予定納税者は増えることになった
消費税率引上げに伴い、中間申告納税額の計算方法が変わっています。
直前課税期間の確定消費税額(除く地方消費税額)が48万円超400万円以下の場合、半年後に1回予定納税しますが、この基準となる金額、例えば48万円は、新消費税の下では8÷5=1.6倍の76.8万円になるかと言えば、そうはなっていません。予定納税の取引規模基準が実質的に8分の5に切り下がったわけです。
予定納税額の計算は国と地方で別基準
予定納税額の計算でも、旧税率による確定消費税に対して、新消費税率による調整計算をするかと言えば、そうはなっていません。予定納税額が8分の5に切り下がっていると言える場合にもなっています。
ただし、地方消費税については、新税率を反映することになっています。従来は、国税の消費税額の25%(地方消費税率1%分)として計算していましたが、新消費税率8%のうちの国税消費税6.3%、地方消費税1.7%とされたので、予定納税の地方消費税を算出する計算式は、国税の消費税額に『17/63』の割合を乗ずることとなりました。
なぜにチグハグにするのか
旧税率を基準にした国税の予定納税消費税額に対して、地方消費税だけ新税率化するのはそれだけ見ればチグハグです。
国税を基準に地方税を算定する仕組みなので、それが当然なのですが、もし、翌年の課税売上げが大幅減となり、旧税率での予定納税額と一致することになってしまった場合などでは、国税で納付額ゼロ、地方税でのみ新税率との税率差相当分のみ納付というチグハグ現象は解消できます。
チグハグはなくせるのか
とはいえ、新旧税率の期間が並存する事業年度で、新税率になってからの課税売上げが急減するケースでは、国税で納付、地方税で還付ということもあり得、逆に旧税率期間において特別に大きな課税仕入があるようなときには、国税で還付、地方税で納付ということもあり得、チグハグ現象を無くすことはできません。
新旧税率の期間が並存する事業年度では、国税と地方税の割合は6.3対1.7にはなりませんので、一方が納付で他方が還付というチグハグ現象をもともと潰滅させることはできません。