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遺言書が身近に? 自筆証書遺言の方式緩和

2016年12月16日 | 相続・贈与税

花押を押した遺言、裁判で無効確定

印鑑の代わりに「花押」が記された遺言書の有効性が争われた裁判で、今年6月、最高裁判所が「重要な書類に花押を使うという意識が社会の中にあるとは認めがたい」として、遺言書を無効とする初めての判断を示しました。遺言書の方法には大きく分けて「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3つの方式があり、テレビドラマなどでよく目にする遺言者本人が全文自筆で作成しているものが「自筆証書遺言」です。一般的な「自筆証書遺言」の特徴として、自分だけで作成でき費用がかからず手軽な点が挙げられますが、内容、日付、氏名全てを自筆する他、印鑑を押印することなど、遺言書として認められるための様式が細かく定められています。そのため、冒頭の例のように、せっかく遺言書を作っても裁判で無効とされてしまう例も少なくありませんでした。

自筆証書遺言の方式が緩和されるか

 こうした問題もあり、現在取りまとめられている「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」では、自筆証書遺言の方式について次のように緩和する措置が検討されています。

一部ワープロ打ちが可能に

現行の制度では遺言の全文を自筆で記載しなくてはならず、この点をネックに感じて公証役場が作成してくれる「公正証書遺言」を選択する例も少なくありませんでした。今回の中間試案では、財産の特定に関する部分(不動産や預貯金口座の表示など)は、ワープロ打ちでも可とされています。また現在、遺言書の加除訂正による変更箇所には「署名及び押印」が必要とされていますが、署名のみで足りるものとし、作成時の負担が軽減されると見込まれています。

自筆証書遺言の保管制度の創設

現在、自筆証書遺言は作成後、自分で大事に保管するか、信頼できる人に預けて保管してもらうしか方法がありません。そして実際に相続が発生すると、これを家庭裁判所に提出し、遺言書の形式などに関する事実を調査、遺言書の現状を確保するための検認手続を受ける必要があります。中間試案では新たに公的機関による保管制度を創設し、遺言者が保管の申出をすることができるようになる他、ここで保管された遺言書については検認を要しないとされ、手続きの煩雑さが解消されることに期待がもたれます。

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