“ファシリテーション”とは会議やミーティングの場で、参加者に発言を促したり、話し合いの流れを整理することによって合意形成や相互理解をサポートする手法・技術のことを言います。
“ファシリテーション”で目標設定
「目標設定会議」で管理者がファシリテーションを行なう方法を例示すれば、次の通りです。
- 経営目標とその背景・設定理由を説明し、全員のQ&Aにより、理解させる。
- 自部署の役割、責任、前期の業績と反省、今期業績に関する管理者としての決意を述べた上で、自部署の課題、目標設定について具体的な提案を求める。
(出席者を数名ずつのグループに分け、5~10分程度のグループミーティングを要請し、その結果として提案してもらうと、全員が参加、発言しやすくなる。) - 提案内容を、白板などに列挙、可視化し、全員が比較検討出来るようにする。
- 提案内容が多い場合は、重要な項目に絞るため、②と同様の方法で点数評価(5点~1点など)を求め、合意形成する。
- 達成水準、達成方法について②~④と同様にファシリテーションを行なう。
- 後日、全員の意見を参考に管理者として決定した部署目標を発表し、チーム目標・個人目標設定面接へ移る。
“ファシリテーション”の効果
このような一見面倒な“ファシリテーション”は、総意による部署目標の設定や達成プロセスでの協力態勢が出来るばかりでなく、個人目標設定の前提となる相互の役割が全員に理解され、達成プロセスでの社員間の前向きなコミュニケーションなど一時の手間には替えられない効果があります。
経営者・管理者の留意点
ファシリテーション参加者は、日常業務、目標達成プロセスで、現場で顧客、関係者、現物に接し、現実を良く知っており、部署目標設定に当って、その総合的な情報を引き出し、活用することは的確な目標設定に役立つばかりでなく、社員の目標達成への主体性の源泉となることを確信して実行しましょう。