土日も営業(平塚)

所得税の種類

2008年10月14日 | 所得税

所得税の種類

所得税は10種類あり、それぞれの特徴にあわせて計算方法や控除額や税率などが決められています。

(1)給与所得

勤務先からの給料、賃金、賞与等のことです。

給与所得の計算方法

  • 給与金額-給与所得控除額=給与所得の金額

税額の計算方法

給与所得は源泉徴収されるのが一般的ですが、その場合でも、原則としては不動産所得等のその他の所得と合計して総所得金額を求め、確定申告により税額を計算することになります。しかし、大抵はその他の所得が無いため、勤務先での年末調整によって確定申告を行う必要が無くなるというのが一般的です。

但し、給与の年間収入が2千万円を超える等、年末調整の対象とならない人については、給与所得のみであっても確定申告が必要になります。

なお、年末調整では精算できない医療費控除等の適用を受ける場合には、確定申告によって還付を受けることになります。

(2)退職所得

退職所得とは、退職金・退職手当を指します。その他、勤務先からの一時恩給、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社または信託会社から受ける退職一時金等も退職所得に含まれます。

退職所得の計算方法

  • (退職金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額

退職所得控除額の計算方法

  1. まず、退職金の支給を受けた会社での勤続年数を計算します。1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。
  2. 1.で計算した勤続年数を基に計算します。勤続年数が20年以下の場合と20年を超える場合とでは計算式が異なります。
    勤続年数が20年以下の場合
    「退職所得控除額」=「勤続年数」×40万円

    (80万円未満の場合は80万円)

    勤続年数が20年を超える場合
    「退職所得控除額」=(「勤続年数」-20年)×70万円+800万円
    ※1 障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記の方法により計算した額に100万円を加えた金額となります。
    ※2 これまでに退職金をもらったことがある場合や、2ヶ所以上から退職金をもらうとき等は、控除額の計算が異なることがあります。

税額の計算方法

退職所得は、原則として他の所得と合計せず、分離して所得税を計算します。退職手当等の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出してある場合は、退職手当等の支払者が所得税を計算し、その手当等の支払の際に所得税の源泉徴収が行われるため、原則として確定申告は必要ありません。

「退職所得の受給に関する申告書」の提出していない場合は、退職手当等の支払金額の20%が源泉徴収され、確定申告により税額を精算することになります。

(3) 配当所得

配当所得とは、株式や出資金に対する利益の配当のことを指します。公社債投資信託や公募公社債等、運用投資信託以外の投資信託および特定目的信託の収益の分配などに係る所得もこれに当たります。

配当所得の計算方法

  • 配当金額-株式等を取得するための負債の利子=配当所得の金額

配当所得の源泉徴収

配当所得は、配当等の支払の際に以下の区分に応じて源泉徴収が行われます。

1.上場株式等の配当等

  • 7%(他に地方税3%)の優遇税率により源泉徴収が行われます。
  • ※平成23年1月1日以後は15%(他に地方税5%)の税率が適用されます。
  • 但し、発行済株式の総数等の5%以上に相当する数または金額の株式等を有する個人が支払を受ける 上場株式等の配当等については、この制度の対象とならず、次の2に該当することになります。

2.上場株式等以外の配当等の場合

  • 20%(地方税は源泉徴収なし)の税率により源泉徴収が行われます。

税額の計算方法

配当所得は、原則は総合課税の対象とされていますが、確定申告不要制度という特例があるため、場合によっては確定申告が不要になります。

1.総合課税

  • 総合課税は、その他の所得(給与所得等)と合計して総所得金額を求め、確定申告によって納める税金を 計算するものです。このとき、配当等の支払を受けたときに源泉徴収されている所得税を精算することになります。その他、 総合課税の場合には、配当等について課税された法人税と所得税との二重課税を調整するための配当控除が適用できます。

2.確定申告不要制度

  • 確定申告不要制度は、株式等の区分に応じ、主に以下のようになっています。なお、確定申告を することで源泉徴収税額の控除や還付を受けることもできます。
  • a.上場株式等の配当等の場合
  • 配当等の金額の大小にかかわらず、確定申告を要しません。
  • b.上場株式等以外の配当等の場合
  • 一回に支払を受ける配当金額が5万円(配当の計算期間が1年以上の場合は10万円)以下の少額配当については、確定申告を要しません。

(4)利子所得

利子所得には、預貯金や公社債の利子等が挙げられます。合同運用信託や公社債投資信託、公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得も利子所得とされます。

利子所得の計算方法

  • 利子金額=利子所得の金額

税額の計算方法

預貯金などの利子は、原則として、その支払いの際に一律20%(所得税15%、地方税5%)の源泉徴収が行われ、それだけで納税が完結する源泉分離課税制度が採られています。

(5)事業所得

事業所得とは、商店の経営や農業・漁業、医師・弁護士等の自由業等から生じる所得のことを言います。(但し、不動産の貸付や山林の譲渡による所得は、原則として不動産所得や山林所得として取り扱われます。)

事業所得の計算方法

  • 収入(売上等)-支出(仕入や経費)=事業所得の金額

<税額の計算方法>

その他の所得(不動産所得等)と合計して総所得金額を求め、確定申告によって納める税金を計算します。

(6)不動産所得

事不動産所得とは、土地や建物の賃借料による所得です。他にも、地上権等の不動産に設定されている権利や船舶・航空の貸付による所得も不動産所得となります。

<不動産所得の計算方法>

  • 収入(家賃・礼金など)-経費(固定資産税・修繕費など)=不動産所得の金額

税額の計算方法

不動産所得は、その他の所得(給与所得等)と合計して総所得金額を求め、確定申告によって税額を計算します。

(7)譲渡所得

土地・建物・株・ゴルフ会員権・特許権・著作権等、資産の譲渡から生ずる所得を譲渡所得と言います。

譲渡所得の計算方法

  • {総収入-(上と資産の取得費+譲渡費用)}-譲渡所得の特別控除額=譲渡所得の金額

譲渡所得は、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けられます。

土地建物等については、譲渡した年の1月1日の時点で所有期間が5年を超えているかどうか、それ以外のものについては、譲渡する資産を取得した日から所有期間が5年を超えているかどうかで判断します。

税額の計算方法

譲渡所得は、譲渡資産の種類により分離課税と総合課税に区分して課税されます。

・分離課税

  • 譲渡所得金額についての税額を、事業所得や給与所得等の他の所得の金額とは別に、租税特別措置法に規定された税率によって計算します。

・総合課税

  • 譲渡所得の金額を事業所得や給与所得等の他の所得の金額と合計し、一般の累進税率によって税額を計算します。

・分離課税(土地建物等)

  • 土地(借地権等の土地の上に存在する権利を含む)および建物等
  • 株式に係る譲渡のうち、短期所有土地の譲渡とみなされるもの

・分離課税(株式等)

  • 上記以外の株式等に係る譲渡所得

・総合課税

  • その他の資産

(8)山林所得

山林(立木)の譲渡がこれに当たります。但し、山林を取得してから5年以内に伐採または譲渡した場合は、事業所得または雑所得になります。

また、山林を山ごと譲渡する場合の土地の部分は、譲渡所得になります。

山林所得の計算方法

  • 総収入金額-必要経費-山林所得の特別控除額(通常は50万円)=山林所得の金額

税額の計算方法

山林所得は他の所得と合計せず(分離課税)、5分5乗方式という計算方法により税額を算出して確定申告することになります。

  • (課税山林所得金額×1/5×税率)×5

(9)一時所得

一時所得には、懸賞や福引の当選金、競馬や競輪の払戻金、生命保険金の一時金や損害保険の満期返戻金、遺失物拾得者の受ける報労金等が含まれます。

一時所得の計算方法

  • 総収入金額-その収入を得るために支出した金額-一時所得の特別控除枠(通常は50万円)=一時所得の金額

税額の計算方法

一時所得は、その1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得と合計して総所得金額を求め、確定申告します。

但し、懸賞金付預貯金等の懸賞金等、一時払養老保険、一時払損害保険等(保険期間が5年以内である等一定の要件を満たすもの)については、20%(所得税15%、地方税5%)の税率による源泉分離課税が適用されるため、他の所得と合計する必要はありません。

(10)雑所得

公的年金、生命保険契約等に基づく年金、非営業用貸金の利子、原稿料や講演料(事業として行っていない場合)等、他の9種類の所得のいずれにも該当しない所得のことです。

<雑所得の計算方法>

  • (公的年金等の収入金額-公的年金等控除額)+(公的年金等以外の総収入金額-必要経費)=雑所得の金額

税額の計算方法

雑所得は、給与所得等の他の所得と合計して総所得金額を求め、確定申告によって納める税金を計算します。

なお、一定の先物取引による所得については申告分離課税が適用されます。

公的年金等や原稿料・講演料などは、支払の際に源泉徴収が行われます。

定期積金の給付補てん金、抵当証券の利息等、いわゆる金融類似商品の収益については、その支払の際に一律20%(所得税15%、地方税5%)の源泉徴収(源泉分離課税)が行われるため、申告の必要はありません。

以上のように所得税は種類が多くそれぞれ計算方法が異なります。特に不動産所得や譲渡所得や山林所得などは専門知識が必要な場合が多いため、該当する収入がある方は当事務所にご相談ください。

担当 丸山

お問い合わせ

ご質問などございましたらお気軽にお問合せください!

お問い合わせ フォーム

045-949-3088 (横浜事務所)

0463-33-3662 (平塚事務所)