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グループ法人税制 1人で渡る赤信号

2011年10月20日 | 法人税

赤信号みんなで渡れば怖くない

有価証券報告書提出会社以外の株式会社は、決算公告が義務付けられていて、官報または日刊新聞紙もしくはインターネットで公告することになっています。

しかし「赤信号みんなで渡れば怖くない」で、ほとんどの中小株式会社がその義務を無視しています。罰則はあるのですが、発動されたことはありません。

制度誘導しているグループ法人税制

グループ法人税制では、寄附金の取扱いや、現物分配、会社清算などでの特例の適用は、個人株主の下に複数の兄弟会社があるという形のときには対象になりません。法人同士の親子関係でなければなりません。

そうすると自ずと、兄弟会社の上に全会社を統括する持株会社を設けて親子関係にするとか、兄弟関係を親子関係に組み替えるとか、ということに制度誘導されていくことになりそうです。

1人で渡るときの赤信号

持株会社設立や兄弟会社の親子会社化に制度誘導される手法としては、

① 新設分割をして事業を分社化する

② 株式交換をして完全親子会社になる

③ 株式移転により完全親会社を新設する

などが挙げられます。

ところが、これらの会社分割、株式交換、株式移転をしようとすると、決算公告をきちんとしているか否かが問われます。これらの組織再編行為をするときには、債権者保護手続きとして、官報公告や催告書の送付が義務付けられています。その文書には、決算公告が掲載されている官報や新聞の日付と頁数又はホームページのアドレスを示すということが要求されています。

組織再編の関所は登記手続きという要害

組織再編行為の場合、債権者保護手続のあと商業登記手続をしますが、登記の添付書面として決算広告とセットになった官報広告及び債権者への催告書が必要です。登記手続きは、組織再編を有効にする不可欠の要件なので、この関所を越えるためには、決算公告を無視し続けるわけにはいかないのです。

そういうわけで、官報の組織再編公告には、タイミングの遅れた決算公告を一緒にしているものが目に付きます。

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