特例承継計画とは
平成30年度税制改正において、「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」(いわゆる、事業承継税制)は、10年間の期限付きで内容が拡充されました。
主な拡充内容は以下の通りです。
現行法(原則) | 特例 | |
---|---|---|
対象株式数 | 2/3まで | すべて |
猶予割合 | 贈与100% 相続80% |
贈与100% 相続100% |
対象者 | 1人の先代経営者から1人の後継者へ | 複数の株主から最大3人へ(代表者である必要) |
雇用要件 | 5年平均80%維持 | 実質撤廃(※) |
雇用要件 5年平均80%維持 実質撤廃(※)
(※認定経営革新等支援機関の関与を受けて、雇用の維持を出来なかった理由等を記載した報告書を提出すれば認定取消しとはなりません)
上記特例の適用を受けるための要件となるのが、特例承継計画の提出です。
作成するにあたっては、認定経営革新等支援機関(税理士事務所等)の指導及び助言を受けることが必要となります。
提出期間は
計画を提出することができる期間は、平成30年4月1日から平成35年3月31日までの5年間です。早めに準備を始め、忘れずに提出するようにしましょう。
記載内容は
では、特例承継計画には、何を記載すれば良いのでしょうか。
主な記載事項は、以下の通りです。
①後継者の氏名
②事業承継の時期
③承継時までの経営上の課題と対応策
④承継後5年間の経営計画
⑤認定経営革新等支援機関による所見
後継者を選定し、承継の時期までに現在の経営課題を解決、その後、後継者がどう会社を経営していくかを計画書に記しておくのです。
とりあえず提出を
実行すると他の相続対策ができなくなる等、メリット・デメリットはあります。提出期限までにとりあえず提出し、実行するかどうかは慎重に検討することが肝要かと思われます。