有償支給材とは
外注先へ必要な材料を支給するにあたって、有償で支給することです。有償支給材の目的は、外注先に材料を無償で支給すると、外注先の材料の管理が先方で杜撰になりやすく、材料の無駄や不良品が出やすくなるためです。
会計上は売上と認識しません
会計上は買戻条件付きの販売契約は販売取引と買戻取引を単一の取引として収益を認識することを要求しており、有償支給材の有償支給時に単独で収益(売上)を認識することを是としておりません。
消費税は売上です
法人税も会計基準に準じ同じように収益認識をしておりますが、消費税は収益と費用を期間対応させませんから、有償支給材は支給した時に消費税を課税します。
会計処理は面倒です
そこで面倒なのが経理処理です。以下の処理だと消費税もあわせて解決できます。
①材料仕入れ時
(仕入)100/(材料買掛)110
(仮払消費税)10
②有償材支給時
(外注買掛金)121/(有償支給材)110
/(仮受消費税)11
③引き取り時
(外注費)200/(外注買掛金)220
(仮払消費税)20/
決算をまたがずに引き取った場合は以上の処理で問題ないのですが、面倒なのは引き取らずに決算をまたぐ場合です。この場合③が計上されませんから、有償支給しただけで(仕入)と(有償支給材)との差額10が収益として認識されてしまいます。
そこで引き取らない分は期末に全て返品するという契約にすると以下となります。
(有償支給材)110/(外注買掛)121
(仮受消費税)11 /
在庫として計上する
(期末棚卸)100/(仕入)100
期首に改めて支給したと考える
(外注買掛金)121/(有償支給材)110
/(仮受消費税)11