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老後2千万円必要の波紋

2019年7月15日 | その他

95歳まで生きると2000万円必要?

金融庁が発表した報告書による「人生100年時代になった現代では老後の生活費が2千万円不足する」との記述が波紋を呼んでいます。政府は「年金制度の不安をあおり政策スタンスとも異なる」として報告書を受け取らないことにしました。
報告書は金融庁の有識者会議が高齢社会の資産形成を促す目的でまとめたもので、夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯だと年金収入に頼って生活設計する場合、95歳までの30年間で毎月約5万円の赤字が出ると試算しました。

世代間扶養の年金制度では追い付かない

元のデータは総務省で公表している家計調査報告からの数字で高齢者の年金を中心とする収入は夫婦で21万円、税や社会保障費等を含めた支出は26.3万円、差し引き5万円強が不足するという計算です。このことは以前から指摘されていたと言いますが、公に報道され波紋を呼んだようです。少子化で今後年金額が増えるとも考えにくい中、まず知っておくことは、報告書の数字はあくまで公的年金の平均値から算出したものであり、2千万円というのは退職金や貯蓄等も含んだ合計だということです。
 報告書には「資産寿命」と言う考え方が盛り込まれていて、健康で長生きするのと同様に経済的に豊かな生活もできる限り長く送りたいとすれば現役時に資産運用しながら資産を積立て、引退後に上手に取り崩しながら生活できるように準備していこうという提言とも言えるでしょう。

現役時代から考える

今の時代は専業主婦ばかりではありませんし、住宅ローンや教育費が50歳位で終わる目途が立てばそのあと費用を老後資金に回すことも考えられます。必要なのは平均値ではなく自分の家計の数字に置き換えてみることです。「わたしとみんなの年金ポータル」等で年金の基礎知識を知って働き方、貯め方を考えてみることもできます。
今60歳の4人に1人が95歳まで生きると言われています。少子化と長寿化が進む日本で政府は地道に持続する年金制度を構築して欲しいし、個人も「どうせもらえない」と言うだけでなく小額でも将来のための積み立てや運用を考える機会としたいも

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