労働保険料の年度更新とは
労働保険の年度更新とは、毎年6月1日から7月10日までの間に、労災保険と雇用保険について、前年度の確定保険料と今年度の概算保険料を申告する手続きで、労働保険料の「確定申告」といえます。
前回の年度更新で申告した前年度の概算保険料と確定保険料の差額について、不足分は納付し、余剰分は還付を受けるか、新年度の保険料への充当を選択することになります。
なお、新型コロナウィルスの影響により、特例として、今回は8月31日まで期限が延長されています。
労災保険料と雇用保険料の算定
労働保険料の申告納付は労災保険と雇用保険を1つの申告書でまとめて行いますが、保険料算定の基礎となる賃金総額は、労災保険と雇用保険で異なります。
労災保険は、パートタイマーやアルバイト等を含むすべての労働者に支払った賃金総額が保険料算定の基礎になります。
一方、雇用保険は雇用保険被保険者のみを対象とするため、週の労働時間が20時間未満のパートタイマーや昼間学生など雇用保険の被保険者とならない労働者へ支払った賃金総額は雇用保険料算定の基礎から除外します。
64歳以上も雇用保険料の納付対象に
今回の年度更新では、64歳以上の社員がいる会社は注意が必要です。
従来、保険年度初日(4月1日)に64歳以上の被保険者(以下、高年齢労働者)は、雇用保険料の納付が免除されていましたが、令和2年度から免除除外となりました。
よって今回の年度更新では、前年度の確定保険料の算定に際して、昨年4月1日時点の高年齢労働者の賃金総額は除外し、今年度の概算保険料の算定には、今年4月1日時点の高年齢労働者の賃金総額を含めることになります。
また、雇用保険料の賃金控除も必要ですので、控除漏れがないか確認しましょう