日本版O-NETを採用に活用しましょう
厚生労働省は、3月19日に「職業情報サイト(日本版O-NET)」を開設しました。
(→https://shigoto.mhlw.go.jp/User)
この「O-NET」という名称は、米国労働省が公開している職業情報データベース(O*NET)と職業情報サイト(O*NET OnLine)を基に命名されたものです。日本でも、職業情報の見える化を図り、求職者の就職活動や企業の採用活動を支援するものとして期待されます。
この日本版のサイトでは、約500の職業について総合的な職業情報が提供されています。主なコンテンツは、(1)職業検索、(2)キャリア分析、(3)人材採用支援、(4)人材活用シミュレーション、の4つです。(1)と(2)は求職者向けですが、(1)で得られる職業情報には、その業界の労働市場の動向や労働条件の特徴なども含まれ、採用にあたって自社の状況を客観的に捉えなおすためにも有用と考えられます。
(3)の人材採用支援は、求める人材の職務要件シートを作成するものです。仕事内容だけでなく、求める人材に必要なスキルや知識の要件を詳細に盛り込み、数値化する機能があります。数値化によって、必要な能力の重要度、優先度が明確になります。求職者への情報提供だけではなく、採用選考に関わる社内外の関係者の認識を一致させるためにも有効であり、採用後のミスマッチを減少させることにつながるでしょう。
従業員の育成計画の支援も
(4)の人材活用シミュレーションは、従業員の現在の知識やスキルと、将来あるべき人材の姿がどの程度マッチしているか、を比較分析するためのツールです。教育訓練・人材育成を計画的に進めるために役立てることができるでしょう。
なお、このサイトで使用されている各種数値は、アンケート調査をもとに作成されていますが、使用する際には、企業の実態にあわせたカスタマイズも必要と考えられます。従業員のグループディスカッションなどで、業務内容や必要な能力の棚卸しを行いながら見直しを実施することも有効です。人材育成計画の策定のスタートとして、取り組まれてはいかがでしょうか。