土日も営業(平塚)

消費税 課税事業者の判定 被相続人の事業を承継した、の意義

2015年6月20日 | 消費税

その年に相続があった場合において、その年の基準期間における課税売上高が千万円以下(ゼロも含む)である相続人が、当該基準期間における課税売上高が千万円を超える被相続人の事業を承継したときは、当該被相続人の当該相続のあった日の翌日からその年の12月31日までの間における課税資産の譲渡等については、免税事業者の規定の適用はありません。

消費税法上の相続及び相続人とは

 消費税法上、「相続」及び「相続人」については、「相続」には包括遺贈を含むものとし、「相続人」には包括受遺者を含むものとする、と規定しています。
 この規定は、「包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有する」、この民法の規定からきているものと理解されます。
 では、特定遺贈の場合はどうなるか、ですが、遺贈は相続ではなく遺言による贈与の一種ですから、相続による承継にはあたらない、と考えられているようです。
 しかし、本来の相続人は包括遺贈を受けるかどうか、特定遺贈を受けるかどうかにかかわらず相続人であることに変わりありません。とすれば、相続人に対する特定遺贈は、当然に、相続による承継に含まれるのでは、と理解することもできます。

消費税法の法令解釈通達の文言

 しかし、法令解釈通達では、この事業の承継の解釈にあたっては、単に、特定遺贈によるものは含まれないとし、その特定遺贈が相続人に対するものなのか、それ以外の者に対するものなのか、まったく触れていません。ただ、素直に読めば、特定遺贈はいずれの場合も「承継」にはあたらない、と取ることもできます。
 解説書の中には、特定遺贈について「たとえその者が相続人であっても相続によって事業を引き継いだことにはならない」と論述しているものもあります。

「遺贈する」と「相続させる」の文言解釈

 相続人に対する特定遺贈で「遺贈する」と「相続させる」の文言があります。どちらでもよさそうですが、最高裁は、「相続させる」の文言は、遺産分割方法の指定であると解し、当該遺贈を放棄するには相続そのものを放棄しなければならないと解しています。
 とすれば、相続人に対する特定遺贈について、その文言が「相続させる」であっても、相続による事業の承継には当たらない、との理解でよいかどうか疑義が生じます。

お問い合わせ

ご質問などございましたらお気軽にお問合せください!

お問い合わせ フォーム

045-949-3088 (横浜事務所)

0463-33-3662 (平塚事務所)