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海外プログラマーへの 支払に対する源泉徴収

2020年4月27日 | その他

海外プログラマーにソフトウエアの開発を委託して支払う報酬の源泉徴収には、徴収漏れによる課税リスクの回避が必要です。

居住者と非居住者の判定

所得税法では、「非居住者」を「国内に住所も1年以上の居所も有しない個人」と定め、職業の状況、家族や資産、滞在期間などで生活の本拠が国外にあるかで判定します。また非居住者は、国内源泉所得に課税され、居住者とは源泉徴収の範囲も異なります。
 判例には、国内不動産を相続した米国籍の日本人を居住者と認識して当該不動産を取得した法人が、売主の生活の本拠は国外にあり、非居住者として源泉徴収漏れとされた事例があります。

著作物としての要件

委託したソフトウエアが非居住者の著作物の場合、委託者には、著作権の使用料または譲渡の対価として源泉徴収義務が生じます。著作物となるかは、契約の目的、内容、契約当事者の意思から判断されます。
 判例には、ソフトウエア開発委託の対価として国内源泉所得としなかった法人が、著作権の使用料または譲渡であるとして源泉徴収漏れとされた事例があります。

プログラマーの専門的な知識・経験

国内で行われる非居住者の「人的役務の提供」に源泉徴収義務が生じる要件、プログラマーが所得税法施行令第282条の「科学技術、経営管理の分野で専門的知識又は特別の技能を有する者」や所得税法第161条①十二イの自由職業者に該当するか必ずしも判然としません。参考となるのは、居住者の自由職業者として所得税法第204条で例示する「技術士」です。租税条約にも自由職業者に「技術士」を例示しています。技術士は、「技術的専門知識と高等の専門的応用能力及び豊富な実務経験を有し」と定義されており、プログラマーの役務提供に対する源泉徴収義務の判断基準にも利用できそうです。

租税条約を活用する

 著作権や人的役務提供が国内源泉所得に該当しない場合、源泉徴収義務は生じません。また国内にPEを有さず、源泉徴収義務が生じるときは、租税条約の活用も可能です。租税条約は国内法に優先適用されるため、「租税条約に関する届出書」を提出して源泉徴収税額の軽減・免除を受けられます。
※非居住者の国内PE帰属所得については「源泉徴収免除制度」も利用できます。

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