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居住用特例の「一の宅地」

2019年3月6日 | 相続・贈与税

居住用家屋・敷地の譲渡の特例

 居住用家屋と敷地を譲渡して譲渡益が生じた場合には、①3000万円の特別控除②軽減税率などの特例制度の適用を受けることが出来ます。
 なお、居住の用に供している家屋を二以上有する場合には、これらの家屋のうち、主として居住の用に供していると認められる一の家屋に限られる、とされています。

居住用小規模宅地の評価減特例

 相続税において、遺産の中に被相続人が居住の用に供していた宅地等がある場合、その相続につき一定の要件を満たす場合には、その宅地等は特定居住用宅地等として80%の評価減の特例が受けられます。
この場合も、被相続人の居住の用に供されていた宅地等が二以上ある場合にはその被相続人が主としてその居住の用に供していた一の宅地等に限られるとされています。

小規模宅地特例の一の宅地の限定

 ところで、小規模宅地の特例の条文では、「被相続人」と「被相続人等」という言葉が使い分けられています。
「被相続人」の居住用小規模宅地は一つに限られとされる一方、「被相続人等」の居住用小規模宅地も一つに限られとされています。「被相続人」と「被相続人等」とそれぞれにつき居住用小規模宅地は一つに限られとされているのであり、全体としては一つに限られてはいない、ということです。

「被相続人等」とは誰だ

 被相続人等の「等」の対象になる人は、「被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族」です。「生計一」の人と言うことなので、同居親族でないとすれば、被相続人に扶養されている関係にある者、ということになります。
 小規模居住用宅地の特例の趣旨は、相続の発生による納税で、居住の継続が妨げられ、生活が破壊されることになるような事態を防ごうとの配慮です。
いわゆる「家なき子」については、〈相続開始前3年以内に自己または自己の配偶者、3親等内親族等の所有する家屋に居住した実績がないこと〉と、条件が厳しいですが、それは居住継続保護の趣旨から外れることをチェックしているからです。

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