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短期退職給与の分別計算 令和4年から適用開始

2022年2月16日 | 法人税

短期退職金での報償

 M&Aでの企業の規模拡大戦略が模索される中、新たに子会社になった企業に、役員や幹部社員として出向や転籍をさせる要員が必要となります。そして、一定の期間経過後に、出向元や転籍元に復帰することも普通に想定されることです。
 復帰に際して、出向先や転籍先での功績顕著な場合、退職金等で報いる、という選択肢もあり得ます。そんな場合、出向・転籍先での役員又は使用人としての勤続期間が5年以下の場合は、課税関係が複雑になります。

退職所得課税の計算式

 現在の退職所得課税での税額計算式は次の3つに分かれています。
①(収入-退職所得控除額)÷2×税率=
②(収入-退職所得控除額)×税率=
③(収入-退職所得控除額-150万)×税率=
 上記の②は、勤続年数5年以下の短期役員退職給与(法人役員・議会議員・公務員)に対する課税方式で、2分の1計算が適用除外です。この②は、平成24年改正で措置されたものです。
③は、②以外の勤続5年以下の短期退職給与で、退職所得控除後の額が300万円超の場合の課税方式です。300万円超過部分についての2分の1計算を適用除外とするとの趣旨の算式です。③は、令和3年度の税制改正で制度創設され、令和4年分以後の短期退職給与について適用されます。
①は、それら以外の一般退職給与及び退職所得控除後の額が300万円以下の短期退職給与に対しての課税方式です。

複数該当や期間重複の場合

 その年中に支払われる退職給与が、①、②、③の複数ケースに該当する場合の退職所得控除額の計算方法は、それぞれ期間の重複がなく、20年以内の場合には、②では〈40万円×役員勤続年数〉です。①③では、〈40万円×総勤続年数-②の額〉です。使用人兼務役員としての勤続期間がある場合は、役員と使用人との期間の重複があることになるので、その重複期間についての②は、〈20万円×重複年数〉となります。
 なお、①②③のそれぞれで計算される退職所得控除額がそれぞれの収入金額よりも少なくマイナスとなるケースがある場合には、そのマイナス額は、他のプラスとなるケースから控除されます。

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