平成25年度税制改正大綱は、1月24日与党自民党・公明党から発表されました。内容的には、自公政権時代の平成21年度税制改正附則104条(税制の抜本的な改革に係る措置・・・格差是正、所得再分配機能の回復、税率構造の見直し、金融所得課税の一体化等)、昨年6月の税制抜本改革法附則20条(所得税の最高税率の見直し等)を受けての改正となっています。それでは、主な改正項目を概観してみたいと思います。
所得税の最高税率の見直し
特に高い所得階層、課税所得4,000万円超については、45%の税率が設けられました。これにより、住民税10%と合わせて最高税率が55%になります。この改正は、平成27年分以後の所得税から適用されます。
住宅取得控除の延長と拡充
住宅ローン減税は、平成26年1月1日から平成29年末まで4年間延長され、その期間の内平成26年4月1日(消費税の増税)から平成29年末までの認定住宅については最大控除500万円に、それ以外の住宅取得には400万円に拡充されました。
また、個人住民税についても、住宅ローン控除の対象期間を平成26年1月1日から平成29年末まで延長され、その期間の内平成26年4月1日から平成29年末までに住宅を取得した場合の控除限度額を、所得税の課税総所得金額等の7%(最高13.65万円)に拡充されました。
金融所得課税に一体化による見直し
現在、原則、非課税扱いとなっている公社債等の譲渡を課税とし、これら債券の配当や譲渡損益も上場株式等の譲渡損益及び配当との損益通算、繰越控除を可能とするものです。この改正は、平成28年1月から適用です。
現行の上場株式等の譲渡損益及び配当に対する10%課税の軽減措置は、今年末をもって廃止され、平成26年以降は、本来の20%課税に戻ります。
その他の改正項目(措置法関係)
①個人から法人に不動産等を贈与した場合の「みなし譲渡課税」については、一定の要件を満たすものについては課税しない(平成25年4月1日から平成28年3月31日までの期間に贈与)、②非上場株式を相続税法において相続又は遺贈により取得したものとみなされる個人もみなし配当課税の特例の対象者に加える(平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈)、などです。