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高額役員報酬残波事件 カルロス・ゴーンを何故問わぬ

2018年1月23日 | 法人税

泡盛「残波」過大役員報酬事件は、退職給与については納税者勝利、月次報酬については納税者部分敗訴につき現在最高裁に上告中です。
 以下、判決文の納税者主張部分を、抜粋しました。

役員報酬は私的自治が妥当

税には、税を課することによって企業や個人の行動が不当に制約されることがあってはならないという中立性原則があるところ、役員給与額の決定は、まさに私的自治が妥当する分野である。・・・・機械的に過大役員給与の認定を行うことは、私的自治への不当な介入すなわち税の中立性原則を破壊するものとして、法人税法も許容していないというべきである。

ゴーンさんこそ高額給与

上場企業の役員給与について検討すると、自動車業界については、日産自動車の同業種類似法人として抽出されるトヨタ自動車及び本田技研工業の役員給与と比較して、日産自動車の代表取締役であるカルロス・ゴーンの役員給与は、過大役員給与となり、電気機器業界については、ソニーの同業種類似法人として抽出される日立製作所、パナソニック、東芝、富士通及び三菱電機の役員給与と比較して、ソニーの代表取締役である平井一夫の役員給与は、過大役員給与となり、総合商社については、伊藤忠商事の同業種類似法人として抽出される三菱商事、丸紅、三井物産及び住友商事の役員給与と比較して、伊藤忠商事の代表取締役である岡藤正広の役員給与は、過大役員給与となる。
 被告は、上記各上場企業については、過大役員給与額に係る課税処分を行わず、原告に本件各更正処分をしたところ、合理的な理由を欠いた不平等な課税処分であるから、本件各更正処分は、憲法14条に違反する。

高額役員報酬規定は事実上死文化している

平成17年の会社法の成立に伴い、利益処分とされていた役員賞与は、費用として整理され、法人税法35条は、削除されることとなり、・・・・定期同額給与又は事前確定届出給与に限定されることとなり、・・・・隠れた賞与支給概念が消失し、高額役員報酬規定は死文化し、納税者への同項の適用は観念されないものとなった。

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