平成22年3月決算法人の申告を最後にオーナー課税廃止!
悪名高き「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入(一人オーナー課税制度)」が22年度改正で廃止されることとなりました。
オーナー社長が法人から一定額以上役員給与を取った場合に、その一部を経費として認めないというこの規定は、制定当初から税理士業界を始め、各種の団体から猛反発を受けていたのですが、ここにきてようやく、廃止されることになりました。平成22年4月以降に終了する事業年度からはこの規定が適用されないこととなります。
ただし、平成22年度税制改正大綱おいて「個人事業主との課税の不均衡を是正し、二重控除の問題を解消するための抜本的措置を平成23年度税制改正で講じることとします。」と、一人オーナー課税の問題は今後も改正の手が加えられていくようです。
上記の個人事業主との課税の不均衡とは?
(例)
- 個人事業主Aさんの場合
- 個人 売上 1,000万円-経費 700万円= 300万円
所得の金額
- 法人を経営する一人オーナーBさんの場合
- 法人 売上 1,000万-経費 700万円-役員報酬 300万円= 0円
- 個人 役員報酬 300万円-給与所得控除 108万円= 192万円
所得の金額
ということで、同じ売上 1,000万円、経費 700万円でも役員報酬をとることができるBさんはAさんと比べ所得が低くなります。「給与所得控除」という給与所得者に無条件で認められる控除額があるからです。(給与 300万円の場合は 108万円。金額により異なります。)個人事業主は自分の事業から給与を取ることができませんから、課税側はこれを不均衡だと言っているわけですね。
給与所得控除の制度そのものに見直しがあるのか、あるいは一人オーナーに限って見直しが検討されるのか。今後も注目していきます。
担当 斉木