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いずれを相続するか 出資持分と持分払戻し請求権

2013年12月13日 | 相続・贈与税

合名会社、合資会社、合同会社といった持分会社の社員のみならず事業協同組合の組合員、さらには持分の定めのある医療法人の社員(以下、社員等)の死亡に際して、当該社員等の出資持分を相続するか、それとも持分払戻し請求権を相続するかで、その課税関係は異なってきます。

持分承継に関する定款の定めがある場合

多くの場合、法人の定款等に総社員等の同意、あるいは社員等の死亡から30日以内又は60日以内にその相続人から社員等の加入の申し出があれば、社員等としての地位の承継を認める、とする定めがあります。
この場合、加入の意思表示をした相続人は、出資持分を相続することになります。その評価額は、「取引相場のない株式に準じて計算した価額」となります。
なお、持分会社は株式会社と異なり、社員ごとに資本金及び資本剰余金が区別され、また、社員ごとに利益も区別されていることから、評価は、若干複雑になる場合もあります。

持分承継に関する定款の定めがない場合

原則として、死亡した社員等の出資持分を相続することはできません。この場合、相続人は死亡した社員等の持分払戻し請求権を相続することになります。この持分払戻し請求権ですが、この権利を原始取得するのは、相続人ではなく、被相続人が取得すると解されています。

準確定申告と源泉徴収義務

したがって、この払戻し請求権の額が資本金等の額を超えるときは、被相続人にみなし配当課税が生じ、相続開始日から4か月以内に相続人は準確定申告義務を負います。一方、法人には、みなし配当に伴う源泉徴収義務が生じます。
相続人にあっては、払戻し金額又は払戻し請求権の未収金額が相続財産となり、また、被相続人の準確定申告に伴う所得税額が債務控除の対象となります。
なお、払戻し金額が準確定申告、さらには相続税の申告期限までに定まらないときは、見込み額(純資産相当額)で申告及び納付、源泉徴収し、確定した段階で更正の請求又は修正申告すべきとしています。
なお、課税実務においては、定款等に持分承継についての定めがない場合であっても、実質的に出資持分を相続したと求められる様な場合には、出資として評価しても差し支えない、と取扱われている事例もあります。

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