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ワクチン接種に駆り出された 歯科医師の報酬の課税区分

2021年7月26日 | 所得税

ワクチン接種拡大が最優先→歯科医の支援

 2021年新型コロナの新規感染は止まりません。国はワクチン接種数を拡大させることを最優先とし、通常は口腔内にしか注射を打つことが認められていない歯医者さんをワクチン接種要員として狩り出し始めました。地元の市町村等からの依頼があって地元歯科医師会の了解のもと、普段は自身の医院をもって開業している歯医者さんも、休診日やお昼時間、夜時間など空いている時間にワクチン接種に協力しているとのことです。

ワクチン接種業務の報酬の課税

 開業医が個人事業として事業を行っていれば、事業所得として課税されます。ワクチン接種も一種の医業周辺業務なので、事業所得として課税されることになるのでしょうか?
答えを先に言ってしまうと、開業医だろうが他で勤務している勤務医だろうが、こうした業務(=この場合はコロナワクチンの接種業務)で得た収入は、通常、その業務を主宰する者からの給与所得として課税されます。

事業vs給与の区分

 業務による対価が事業の収入となるのか給与収入となるのかの違いは、その業務が委任契約に基づくものなのか雇用契約に基づくものなのかによって変わってきます。
重要な要素としては、その業務の指揮命令は誰が行い、業務に必要な材料や用具は誰の負担で供与されているのか、そして最終的な業務の責任はだれが負うのか、などが総合勘案されて判断されることになります。これは消費税法の基本通達でも示されている考え方であり、外注が委託業務で消費税が発生するのか、もしくは実態は雇用による給与で消費税は発生しないのかなどを検討する時に使われます。
 この基準からすると、歯科医師会の依頼のもとに接種業務だけを提供して得た収入は、普段開業して事業所得を得ている歯医者さんでも給与所得となります。これは自治体や会社の依頼の下、公立学校の学校医や産業医として得る収入が給与所得になるのと同じ考え方です。
 一方、開業医がかかりつけ医として自分の医院で行うワクチン接種は、事業所得であるということは言うまでもありません。

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