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バフェット増税論に思う

バフェット発言を読み解く

アメリカの著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が、米ニューヨーク・タイムズ紙に「年収100万ドル超の富裕層に即座に増税するべき」、財政赤字削減の負担を分かち合うべきと寄稿し、話題になっています。

しかし、不思議なことに、バフェット氏の連邦税は、693万8744ドルと巨額ですが、実効税率は17.4%でしかなくて、彼の部下の20人の従業員の誰よりも低い税率なのだそうです。理由は、バフェット氏の所得の種類が株式の配当や譲渡益など15%税率の投資家所得で占められているからのようです。

なぜ部下より低い税負担率

仮にバフェット氏の投資家所得以外がアメリカ連邦所得税の最高税率は35%に該当するものとして計算すると、

① A×15%+B×35%=$6,938,744
②(A+B)×17.4%=$6,938,744

この①と②の連立方程式を解くと、

A=$35,092,498(88%)
B=$ 4,785,340(12%)

となり、所得の88%が投資家所得であることになります。

バフェット的な人に負担を求める

アメリカ連邦所得税に低率分離課税がないとして、全部総合課税だったとすると、ほぼ倍の税額を納めることになっていたところです。

高所得層がより低い層より税の負担率が低い、という現象が起きていることに、バフェット氏は心の痛みを感じての発言をしているのでしょうが、ここから直接に、だから高所得層には富裕税を課すべきであると言うことにはなりません。

まず提起されているのは、所得に逆進的になっている税の歪みの是正の問題だからです。多くの高所得層は、投資家所得よりも、主には、連邦所得税の最高税率の洗礼を受けている、と思われるからです。

日本について同じように考えると

この課題は、増税論議が盛んになっている日本の税制について考える場合においても、同じ問題が存在しています。むしろ、日本の場合の投資家所得は上場株式については7%の分離課税税率で、所得税の総合課税の最高税率は40%なので、税負担の所得逆進性はアメリカよりも激しい、と言えます。

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