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ついに法規制 2019年のふるさと納税改正

2019年3月18日 | その他

税制改正で過剰競争を抑制できるか

 ふるさと納税は通常の寄附金控除とは異なり、住民税を大きく引いてくれる特別な控除があるため、個人の所得や控除によって限度額はあるものの、通常は負担が2,000円で済むようになっており、自治体が「寄附のお礼の品」を用意することによって、お得な制度となっています。
 自治体はこぞって返礼率の高いお礼の品を用意し、総務省は過剰な競争を避けるべく、お礼の品についての指針を出すなどしたものの、一向に競争は治まらず、ついに今年の税制改正大綱で、法的に制限をかけることになりました。
税制改正大綱によると、制限の内容は、①寄附金の募集を適正に実施する都道府県等②返礼品の返礼割合を3割以下とする③返礼品を地場産品にする、等です。総務大臣は、これらの基準に適合する自治体をふるさと納税の対象として指定するようになります。
なお、この内容は2019年6月1日以後に支出される寄附に適用されます。

泉佐野市の乱?

 以前から出していた「お礼の品の返礼割合を3割以下にしてください」等の総務省の通知を無視していた自治体の中でも、泉佐野市は強固な姿勢でメディアを騒がせています。改正前の2月・3月に、お礼の品に加えて寄附額の最大20%のアマゾンギフト券を寄附者に贈るキャンペーンを展開しつつ、法制化についてのプロセスを「地方分権の理念に反しているのではないか」とメディア等を通じて批判しています。

総務省も強固な姿勢

 これに対して総務省も「過去の取組もさかのぼって自治体を評価し、6月以降のふるさと納税の指定を判断する」という奥の手を検討しているそうです。
 総務省としては、通知に従って3割以下の返礼割合とした自治体が割を食うような事態は避けたい、という気持ちもあるのでしょう。

 いずれにせよ、ふるさと納税制度の本来の目的であった「離れた故郷に自分の税金が払えるように」といった感情的な部分を思うと、こういった現状は少し寂しく感じてしまいますね。

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